句会 月次報告 先生特選句・最高得点句

東京句会 12月 先生特選・最高点句  

    明弘先生特選      

      食うて寝て俳句を少し冬籠        篤子

      咲ききりし安らぎにあり冬さうび    玲子

    清江顧問特選

      短日や置き薬屋のはなし好き     玲子

   最高得点句

        咲ききりし安らぎにあり冬さうび    玲子

     

緑が丘句会 12月 先生特選・最高得点  (席題/冬満月 )

   泉先生特選

     剥製の眼きらりと凍月夜         辺留奈流

      冬林檎ともしびの色秘めてゐる    浩介

   節雄先生特選

     隠し事できぬ性分冬木立         ゆう子

     ひとり減りひとり加わる年忘れ     治久

   倫子先生特選 

     冬りんご割けばことりと夜の音    亜由美

     狛犬も遠吠えしたし冬満月      辺留奈流

  最高得点句

    枯山の乾いて返す谺かな       節雄

   

 

自由が丘句会    12月 先生特選・最高点句(通算169回 ) 兼題/十二月

   泉先生特選

     歳晩の大鍋小鍋大騒ぎ        伸子

      還らざる人をおもひて十二月     節子

   節雄先生特選

     常盤木の香の深々と聖夜待つ      

     還らざる人をおもひて十二月     節子

   最高得点句

    手を挙げるだけの挨拶十二月     節雄

品川句会 11月 先生特選・最高点句  

   瓔子先生特選

      トレモノやうすずみ色の冬時雨      かのん

     一村を呑み込むダムや冬の月       節子

  泉先生特選

     読みながら眠るも愉し吹雪く夜は     倫子  

         小春日や水栽培の根の揺らぎ       洋子

  節雄先生特選

    凍蝶のかすかに放つ命の香        瓔子

    枯葉てふ風来坊を道連れに        倫子

 最高得点句

    枯葉てふ風来坊を道連れに        倫子

        

緑が丘句会 11月 先生特選・最高得点  (席題/霜 )

   泉先生特選

     残菊の夕べの白と思ひけり     玲子

     やはらかきガイドの言葉冬ぬくし  亜由美

   最高得点句 

     凩が留守番の子の窓たたく     ゆう子

     石塀は猫の通ひ路花八つ手     玲子

     冬ぬくしバス降りる児のありがとう  治久

東京句会 11月 先生特選・最高点句  

    明弘先生特選      

      雪降つて美しき鴉となりたまふ      久人

      青い眼も地べたに座り秋祭       玲子

      相続の仔細決まらず大くさめ      重夫

   清江顧問特選

      水が好き青空が好き赤とんぼ      玲子

   最高得点句

         湯豆腐やひざをくずすも京の宿        倫子

     寒禽の一声湖にさざなみを          久人

     青い眼も地べたに座り秋祭        玲子

しいの木句会 11月 先生特選・最高点句  

   倫子先生特選

     落花生に部屋あり吾に部屋はなし    浩介

   最高得点句

        豆苗の右向け右の日向ぼこ     昌枝

自由が丘句会    11月 先生特選・最高点句(通算168回 ) 兼題/柿

   泉先生特選

     菊日和私出不精筆不精        節子

      友の忌やけふの日和の返り花    光眞

   節雄先生特選

     秋麗の駅で別れてそれつきり      伸子

     母存らばけふ上寿なる柿の艶     泉

   最高得点句

    母存らばけふ上寿なる柿の艶     泉

     

緑が丘句会 10月 先生特選・最高得点  (席題/露 )

   泉先生特選

     稲架かけて連山青みゐたりけり   玲子

     まなざしの平らかなりし捨案山子  節雄

   節雄先生特選

     秋思かな春江の句集読む夜は    辺留奈流

     露の玉しみじみと見る歳となり   治久    

   最高得点句 

     我が影に盃を重ねて月見かな    辺留奈流

     

東京句会 10月 先生特選・最高点句  

    明弘先生特選

      天高し大皿でんと控へをり          倫子

      よみがへる少女のわたし赤のまま    玲子

      爽やかに忘れし過去のありにけり    篤子

   清江顧問特選

      秋惜しむ無頼派ぶりし男こそ      明弘

     蜻蛉のつういつういと無人駅       玲子

   倫子先生特選

     鼻筋の美しき牡鹿の眠りかな      篤子

     AIの巧言令色月夜茸           浩介

   最高得点句

         空よりも水に色濃き秋夕焼            清江

      引き波に攫はれてゆく秋思かな      倫子

      蕎麦の花いちにちけぶる山の雨     武夫

     鷹の爪我にも少し野武士の血       武夫

     よみがへる少女のわたし赤のまま     玲子

しいの木句会 10月 先生特選・最高点句  

   倫子先生特選

      さばさばと開き直るも破蓮      久人

      秋夕焼淋しくないと言ふ母と     篤子

      鬼灯の中の地球も燃えてをり    昌枝

   最高得点句

         長き夜へ短き眠り敷き詰めて    浩介

自由が丘句会    10月 先生特選・最高点句(通算167回 ) 兼題/釣瓶落し

   泉先生特選

     目つぶりて子を思ふなり秋小鳥      伸子

      月の田の小人のやうに藁ぼつち      治江

   節雄先生特選

     岬端は虫浄土また星浄土          治江

   最高得点句

     五百羅漢秋思の貌を並べをり     治久

東京句会 9月 先生特選・最高点句  

    明弘先生特選

      晩年の月日は祈り望の月       清江

      赤とんぼともに吹かるる風軽し    武夫

   清江顧問特選

       首すぢの細き乙女や牽牛花    玲子

   倫子先生特選

      天高し五七五は素数なり      明弘

      晩年の月日は祈り望の月       清江

   最高得点句

         晩年の月日は祈り望の月         清江

      弓を引く少女の背や今朝の秋    篤子

      苦瓜のたわわ就活難航中       篤子

     名月の零したる風来たりけり      浩介

しいの木句会 9月 先生特選・最高点句  

   倫子先生特選

     「シンプルザベスト」手帳へ獺祭忌     浩介

      歩むたび溢れたる詩や水の秋       浩介

   最高得点句

         遺言の確認事項いなびかり       幸子    

自由が丘句会    9月 先生特選・最高点句(通算166回 ) 兼題/花畠

   泉先生特選

     みな弾けさせても寂し鳳仙花       治江

      朝霧に日は月のごと最上川        治江

   節雄先生特選

     師を亡く母を亡くせし夏の果て          

     秋思かな愚考の果ての吾が愚行     武夫

   最高得点句

     干魚の並べて目を剥ぐ厄日かな       節雄

          

緑が丘句会 8月 先生特選・最高得点  (席題/処暑 )

   泉先生特選

     影踏みの白きかかとや涼新た   治江

     連れ歩く己の影濃き秋暑かな   玲子

   節雄先生特選

     捨て案山子孤独が好きでかたくなで   かのん

     船笛の離れてゆきし処暑の雲      康子    

   最高得点句 

     鳴きながら猫帰りくる夕野分    玲子

     霧の籠もる湖の館やガレの燭    治江

   

東京句会 8月 先生特選・最高点句  

    明弘先生特選

      天高しわけて男松の男振り       清江

      放下して水母を愛ずる漢かな     篤子

   清江顧問特選

 

      朝顔を数へてけふのはじまりぬ    玲子

   最高得点句

         草矢うつとんちんかんな人めがけ    明弘

      草の花歩くたのしさ老いてなほ      清江

      気丈夫な母に似せたる茄子の馬    重夫

しいの木句会 8月 先生特選・最高点句  

   明弘先生特選

      耳飾りことりと置いて夏果つる     篤子

      肉球の甘き誘ひや明易し        理恵

      蜻蛉の彼の世の方を向いてをり    篤子

      月さやか唯一無二の友のこと     篤子

   最高得点句

         文机に物の溢るる残暑かな      篤子    

自由が丘句会    8月 先生特選・最高点句(通算165回 ) 兼題/涼し

   泉先生特選

     八月や来る日くる日を黙祷す       節子

      エンドロールぼうと見てゐる熱帯夜   治江

   節雄先生特選

     涼しさや猫に教はる風の道          節子

   最高得点句

     糠床の天地返しや盆支度           節雄

     エンドロールぼうと見てゐる熱帯夜   治江

     

品川句会 7月 先生特選・最高点句  

   瓔子先生特選

      ペコちやんが舌出して立つ炎暑かな    武夫

     昨日今日そして明日も冷奴          節子

   最高得点句

        やわやかに諌め返して白団扇し      かつ子

緑が丘句会 7月 先生特選・最高得点  (席題/時計)

   泉先生特選

     海底に落せし指輪ソーダ水    亜由美

     千枚田海に傾れて大夕焼     治江

   節雄先生特選

     どくだみや付き合い薄き両隣   辺留奈流

     風死すや煮炊きの匂ふ船溜り   治江    

   最高得点句 

     眠り落ちし母に幼の団扇風      治江

     涼しさの家で看取ると決めてより   泉

   

東京句会 7月 先生特選・最高点句  

   清江顧問特選

      さざ波の空を駆けゆくあめんぼう     篤子

   明弘先生特選

      何もかもかけて咲くなり竜舌蘭      浩介

       父の日や父の遺産のわが俳句     清江

   最高得点句

         蝉時雨われに放下を迫るやう       久人

      紫書込みは反論ばかり書を曝す      武夫

しいの木句会 7月 先生特選・最高点句  

   明弘先生特選

     大夕焼負けず嫌ひに火が付いて    浩介

     水鉄砲小さき兵より追われけり      浩介

   最高得点句

         ぎやまんに美し即席スープとて     倫子    

自由が丘句会    7月 先生特選・最高点句(通算164回 ) 兼題/暑気払い

   泉先生特選

     夏深し一村こもる默のなか    光眞

      稜線の彫り深々と月涼し     治江

   節雄先生特選

     せつかちと自認のをとこ冷奴        

     渓声に耳遊ばせて夏料理      辺留奈流

   最高得点句

     せつかちと自認のをとこ冷奴        

     やはりこの顔ぶれがよし暑気払い    武夫

品川句会 6月 先生特選・最高点句  

   瓔子先生特選

      ほうたるの闇に描ける草書かな     泉

   先生特選

     郭公の一声ごとに森明くる      瓔子

   最高得点句

        独り言つ言葉は宙に星涼し     亜由美

東京句会 6月 先生特選・最高点句  

   清江顧問特選

      桐咲くや森閑として屋敷町         允章

      散りそめて知るえごの花咲きしこと     玲子

   明弘先生特選

      聖五月つくばひは空あふれしめ     玲子

       忌に帰るのみの故郷花みかん      武夫

   最高得点句

         遠ざかる子の声も又夕焼て        玲子

      紫陽花に雨のあかるき仏みち        清江

しいの木句会 6月 先生特選・最高点句  

   明弘先生特選

      有休はコンクリートに水を撒く      理恵

       仏蘭西より根の国近し水を打つ     倫子

       這ひ出でて蟹は光のあぶく吹く     かのん

   最高得点句

          生命の口を大きく燕の子        明弘    

自由が丘句会     6月 先生特選・最高点句(通算163回 ) 兼題/虹

   泉先生特選

     ラムネ飲む星見ゆるまで仰け反つて    治江

      軽鳧の子のいつも一羽は落ち零れ    治江

   節雄先生特選

     浜木綿や雲を育む遠岬           武夫

     夏ぶとんいよいよ薄き母の嵩      泉

   最高得点句

     独り居の気儘や杏落ちるまま       礼子

     暑き日の立つも座るもどつこいしよ    伸子

品川句会 5月 先生特選・最高点句  

   瓔子先生特選

      夏衣脂粉ふはりと匂わせて      倫子

      青葉風ターン軽やか風見鶏     節子

   先生特選

     夏へ助走白髪のベリーショート    倫子

     海からの風の道あり鑑真忌      かのん

   節雄先生特選

     梅漬ける恙無き日々あれかしと     泉

   倫子先生特選

     往診のまなざし深き夏帽子      泉

     献茶舟袂ふくらむ夜風かな      かのん

   最高得点句

        新茶汲む昭和一桁つつがなし     節雄

     二軒目にこぼす本音や冷奴      亜由美

     青葉風ターン軽やか風見鶏      節子

     海からの風の道あり鑑真忌       かのん

東京句会 5月 先生特選・最高点句  

   清江顧問特選

      菖蒲湯に目をとじ術後一年目     重夫

   明弘先生特選

      芍薬の十頭身の立ち姿        允章

       冷し酒身の丈知つてもう一杯     忠彦

   最高得点句

         歌舞伎座の前のさざめき夕薄暑     篤子

      水誉めて新茶をほめて辞されけり     武夫

     

しいの木句会 5月 先生特選・最高点句  

   明弘先生特選

      飲むべき飲まざるべきか昼ビール    浩介

      若葉風千戸に配る広報誌         法子

   最高得点句

         草笛の吹けずに真似る夕かな     幸子      

緑が丘句会 5月 先生特選・最高得点  (席題/聖五月)

   泉先生特選

     生まれ落ちて野馬立つ丘青嵐   治江

     星涼しかかげて細き杯の脚    治江

   最高得点句 

     飛べばよし巣立てば淋し燕の子  治久

   

自由が丘句会     5月 先生特選・最高点句(通算162回 ) 兼題/薔薇

   泉先生特選

     薫風や背筋伸ばして職を辞す    武夫

      夏めくや風の言葉と木の言葉    トミ子

   節雄先生特選

     新茶汲むこの香この色寿(いのちなが)   節子

     ロスタイム使えぬ余生花は葉に      武夫

   最高得点句

     お隣は夫婦別姓鯉のぼり       伸子

          

品川句会 4月 先生特選・最高点句  

   瓔子先生特選

      桜蘂ふる還らざる日々をふと       武夫

      髪切つてふはりと春の風に乗る     節子

   先生特選

     ふるさとを問へば海市とうそぶきぬ    倫子

   節雄先生特選

     山に生き山を祀りて朴の花        かつ子

   倫子先生特選

     髪切つてふはりと春の風に乗る     節子

   最高得点句

        髪切つてふはりと春の風に乗る      節子

緑が丘句会 4月 先生特選・最高得点  (席題/春惜しむ)

   泉先生特選

     今生の花間に合わず友逝けり    武夫

     過不及なぞどうかうないと春の海  蒼生

   節雄先生特選

     春雨の音亡き音を聴く一日     ゆう子

     米を研ぐ春の水音かきまぜて    トミ子

   最高得点句 

     豊かなる水と暮してみどりの日   ゆう子

     小さき風呼んで華やぐ豆の花    節雄

東京句会 4月 先生特選・最高点句  

   清江顧問特選

      AIの作れぬ駄作万愚節        武夫

      ぶらんこの男もつともたそがれる   明弘

   明弘先生特選

      花は葉に人形町も浜町も       倫子

      AIの作れぬ駄作万愚節        武夫

   最高得点句

        言ひしれぬかなしみの如海女の笛      久人

     花冷の濡れ手に受けし訃報かな       武夫

     碧眼の僧に行き合ふ花の京          重夫 

    

しいの木句会 4月 先生特選・最高点句  

   明弘先生特選

     春うれひ袖の釦の固さかな      篤子

     揚雲雀雲の生まるるところまで    篤子

     遠足や靴下の色青にする       法子

   最高得点句

        春うれひ袖の釦の固さかな      篤子      

自由が丘句会     4月 先生特選・最高点句(通算161回 ) 兼題 歌・唄

   泉先生特選

     先頭はもう光る点干潟人         治江

      おぼろ月胸にたやたふ湯のかをり   光眞

   節雄先生特選

     花の下妻の歩みに添ひ歩く       武夫

     花菜切る厨の母のわらべ唄       光眞

   最高得点句

     ゆく春の湯殿に父の寮歌かな      泉

     花菜切る厨の母のわらべ唄       光眞

     

品川句会 3月 先生特選・最高点句  

   瓔子先生特選

     一陣の風を味方に猫柳        武夫

     ここに画家そこに仙人山笑ふ     泉

   先生特選

     踏青や殉教の辺につづくべく    倫子

     にはたづみ軽々跳んで卒業す    亜由美

   倫子先生特選

     亀鳴くや落人村といふところ     瓔子

     春風や君も誘つてカフェテラス    かのん

   最高得点句

       絵空事聞いてあげよう万愚節     武夫

しいの木句会 3月 先生特選・最高点句  

   明弘先生特選

     春風のふはりと撫でてゆくくせ毛     篤子

     ピンクだけなくなつてをり雛あられ     浩介

   最高得点句

       別れ雪証書持つ手に舞ひ降りぬ      正子

東京句会 3月 先生特選・最高点句  

   清江顧問特選

      豆ごはん母の回忌にははの数珠     重夫

   明弘先生特選

     野球部員円陣組んで卒業す       武夫

     つばめ来る病児保育のグリとグラ     重夫

   最高得点句

       春北風はげますは亡き夫の声        清江

     たんぽぽのはりついてゐる地のぬくみ   玲子

     豆ごはん母の回忌にははの数珠      重夫

緑が丘句会 3月 先生特選・最高得点  (席題/春嵐)

   泉先生特選

     残したくなき過去もあり蜷の道   蒼生

     戻りたき古書肆にまよふ朧かな   蒼生

   節雄先生特選

     残したくなき過去もあり蜷の道      蒼生

     しゃぼん玉吹く子つぶす子ただ見る子   治久

   最高得点句 

     梅日和ひかり啄む小鳥たち     玲子

     残したくなき過去もあり蜷の道   蒼生

自由が丘句会     3月 先生特選・最高点句(通算160回 ) 兼題 手・掌

   泉先生特選

     ままごとの爺にされけりよもぎ餅      光眞

      うぐいすや初めて開く母子手帳      辺留奈流

   節雄先生特選

     春風を両手に掴む欠伸かな       治久

   最高得点句

     春の暮大工挽きたる木屑の香     辺留奈流

     たんぽぽの絮のふはりと幼の手     節雄

     山独活の味噌で足りたる独り酒     節雄

     柔き手を握り老老介護かな        節雄

     ままごとの爺にされけりよもぎ餅     光眞

品川句会 2月 (横浜総持寺吟行句会) 先生特選・最高得点

  奥名主宰特選

    僧侶との春の夢なと許されよ    倫子

    控への間次の間春の寒さかな    明弘

    三門をくぐれば自然春の風     節雄

  明弘先生特選

    東風吹けり阿吽ゆるばせ仁王像   倫子

    憎さばしる百間廊下春遅々と    多賀司  

  高得点句

    百間廊下春一番を遠しけり    美佐子

緑が丘句会 2月 先生特選・最高得点  (席題/鳥曇)

   泉先生特選

     茎立つやまのびのしたる鶏の声   康子

     潮騒に酔うて候菜の花忌     ゆう子

   節雄先生特選

     海に向く神父の墓や鳥曇     治江

   最高得点句 

     佇めばそこが浄土や梅月夜    辺留奈流

東京句会 2月 先生特選・最高点句  

   清江顧問特選

      千鳥足戸に柊の挿してあり     美沙

   明弘先生特選

     牡蠣鍋や一合五勺をちびちびと    允章

     仏前に鰆味噌漬け箸添へて      重夫

   最高得点句

        病む身とて十七音詩あらば春     重夫

     仏前に鰆味噌漬け箸添へて      重夫

自由が丘句会     2月 先生特選・最高点句   (通算159回 )

   泉先生特選

     大胆な男の料理桜鯛       伸子

     唐鍬の石打つ谺冴返る      節雄

   節雄先生特選

     すつきりと影を伸ばして冬木立    允章

     母の手の記憶を紡ぐ針供養      トミ子

   最高得点句

    年の豆噛んで我が家の鬼元気    武夫

    

東京地区 新年合同句会 (2024年1月24日)

   奥名主宰特選

     湯豆腐や兎にも角にも連れ添うて    西原 仁

     北風をそびらに愛をふところに      笠井久人

     初明り地球の気迫ひしひしと       竹 美鈴

     綿虫のさまよふといふエネルギー    栗林明弘

   最高得点句

     ちぐはぐに生きて二人の日向ぼこ    吉野紀子

     妻似なら合うてもみたき雪女       田坂武夫

     

自由が丘句会     1月 先生特選・最高点句   (通算158回 )

   泉先生特選

      語りたき人は遠くに冬北斗     武夫

      繭籠る駅舎の灯雪しんしん     治江

   節雄先生特選

      小春日や小舟のやうな子供靴    伸子

   最高得点句

     まなじりの母似の小皺春小袖    節雄

     一杯が呼び水となる年酒かな    武夫

     語りたき人は遠くに冬北斗      武夫

東京句会 1月 先生特選・最高点句  

   清江顧問特選

      悪酔ひとなる丹前の半可通      明弘

   明弘先生特選

     雪兎さびしかないと目が真つ赤     倫子

   最高得点句

        草枯れてなほひとすじの色残す     玲子

句会月次報告   令和五年 ↓↓↓↓

緑が丘句会 12月 先生特選・最高得点  (席題/湯豆腐)

   泉先生特選

     冬蠅の日差しに酔うてゐる玻璃戸   治江

     湯豆腐や淡きまじはり重ね来て    玲子

   節雄先生特選

     お帰りと言へる幸せ根深汁     トミ子

     湯豆腐や小さき嘘を許しをり    あゆみ

   最高得点句

     お帰りと言へる幸せ根深汁     トミ子

東京句会 12月 先生特選・最高点句  

   清江顧問特選

      木の葉舞ひ木の葉のやうに蝶が舞ひ    玲子

   明弘先生特選

     独りでもひとりじゃないよ七福神       重夫

     枯葉みち余生いよいよ怠らず        清江

   最高得点句

        空の青遠嶺の紺や冬たしか        玲子

自由が丘句会     12月 先生特選・最高点句   (通算157回 )

   泉先生特選

     去るものは去り一本の冬桜       トミ子

     師走来て忙しき振りをよそほへり    節子

   最高得点句

     信楽の狸を洗ふ小六月       武夫

東京句会 11月 先生特選・最高点句  

   清江顧問特選

      背には廃墟のニュースおでん酒    久人

      石段の半ばで抱つこ七五三      武夫

   明弘先生特選

     小春日の雀仲良く小競り合ひ      篤子

   最高得点句

        つかの間の夕日をのせて枯尾花     清江

自由が丘句会     11月 先生特選・最高点句   (通算156回 九品仏吟行句会)

   泉先生特選

     鳥の声集めし大樹時雨くる      礼子

     鯛焼を分かちて待てり荒川線     治江

     縁者なきふる里遠し冬の虹      忠彦

   節雄先生特選

     鯛焼や定年なしの家事仕事     節子

  最高得点句

     阿弥仏の留守乱しゐる冬鴉     節雄

     母の衣に名札つけをり冬日向    治江

     

緑が丘句会 10月 先生特選・最高得点

   泉先生特選

     十六夜やすこし隙あるひとがいい    蒼生

     スイッチバックして紅葉を折り畳む   節雄

   節雄先生特選

     鳥声や秋日染め入る躙り口    泉

   最高得点句

     一合を妻と分ちて菊の酒    武夫

自由が丘句会 10月 先生特選・最高点句   (通算155回)

   泉先生特選

     爽やかや笹の葉擦れの散歩道      トミ子

     そぞろ寒言葉の棘に気づくとき      トミ子

   節雄先生特選

     秋蝶の風のりかへて海めざす      治江

     また眼鏡探し夜長の読書など      伸子

   最高得点句

     ななかまど日かげる渓も照る村も     光眞

     

緑が丘句会 9月 先生特選・最高得点

   泉先生特選

     宇宙へと話広ごる良夜かな      ゆう子

     看取りの灯点りては消へ夜長かな   治江

   節雄先生特選

     逡巡の解けぬひと日の夜長かな    武夫

   最高得点句

     爽やかに農継ぐといふ男の子かな   節雄

 

     

東京句会 9月 先生特選・最高点句  

   清江顧問特選

      静けさは竹の葉ずれか嵯峨の秋    忠彦

   明弘先生特選

     豊年や腕上げて寝る赤ん坊       篤子

   最高得点句

        余生とて日々新たなり草の花     清江

自由が丘句会 9月(通信句会)先生特選・最高点句   (通算154回)

   泉先生特選

     あらくれの身にもふる里彼岸花     武夫

     流れ星妻のことづてありますか      重夫

     ガレのランプ灯してみたき虫の闇     治江

   節雄先生特選

     流れ星妻のことづてありますか      重夫

   最高得点句

     流れ星妻のことづてありますか     重夫

           (七人の特選の快挙)

緑が丘句会 8月 先生特選・最高得点

   泉先生特選

     末葉吹く有り無しの風涼新た       武夫

     みんみんのけふを惜しめと鳴きつるよ   玲子

   節雄先生特選

     浮雲に母の面影秋近し    トミ子

   最高得点句

     晩学の遅々と進まぬ秋灯    節雄

     訃報きく覚悟の有無や日雷   蒼生

東京句会 8月 先生特選・最高点句  (通信句会)

   清江顧問特選

      ゆふだちや余生あせらず雨やどり    重夫

   最高得点句

        生きるのか生かされるのか秋風鈴    忠彦

自由が丘句会 8月 先生特選・最高点句   (通算153回)

   泉先生特選

     棟梁の夜は夜の声踊唄      節雄

     ほの白く暁動く蕎麦の花      治江

   節雄先生特選

     平和とは日常のこと終戦日     治久

     手に受くる水生ぬるし原爆忌     泉

   最高得点句

     棟梁の夜は夜の声踊唄        節雄

     時忘れ齢を忘れ躍るかな       泉

     御簾の影仄かに揺るる風の盆    トミ子

     君が手に初めて触れた踊の夜    トミ子

緑が丘句会 7月 先生特選・最高得点

   泉先生特選

     大地割るほど打ちすゑし西瓜割  節雄

     ポケットの蛍を星に放ちけり   かのん

   節雄先生特選

     炎天にきて蹴る子守る子ベンチの子   治久

   最高得点句

     遠山の懐に入る帰省かな    辺留奈流

     

東京句会 7月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      香水の名を言い当てし男かな     倫子

      アマリリス強気をとほす孤独かな    倫子

   明弘先生特選

      数多ありさうな海月の言葉かな     久人

   最高得点句

        薔冷素麺すすりて日本人たりし    玲子

      アマリリス強気をとほす孤独かな    倫子

自由が丘句会 7月 先生特選・最高点句   (通算152回)

   泉先生特選

     テラス席去りゆく影や晩夏光     光眞

     白南風や自転車でゆく変声期    節子

   節雄先生特選

     地球儀の地軸の狂ふ炎暑かな    重夫

     炎帝にうなじ焼かるる刑を受く     伸子

   最高得点句

     うかと買うおそらく終の登山靴     礼子

 

 

自由が丘句会 6月 先生特選・最高点句   (通算151回)

     清江顧問特選

       外つ国の戦の火とも大夕焼       瓔子

       やつてごらんあの竹の子と背比べ   治久

     瓔子先生特選

      香水や修正液の効かぬ恋       重夫

      すぐ拗ねる夏の帽子を送り出す    伸子

        準特選

      梅つける年取るほどに妻強し     武夫

    泉先生特選

       一歩より踏み出す万歩若葉風     武夫

       香水やルージュ明るくコロナ明く    治久

    最高得点句

       地より湧く水のきらめき花山葵     清江

緑が丘句会 5月 先生特選・最高得点

   清江顧問特選

     熱き息吐きて光を待つ祭馬    瓔子

   瓔子先生特選

     退屈といふ幸せや日々昼寝    武夫

     夕闇のひたひたとある昼寝覚   玲子

   泉先生特選

     朝つつましく生きる晩年風薫る  清江

     街路樹の影も蒼める立夏かな   治江

   節夫先生特選

     若竹のいと高みへと空揺らす   やす子

   最高得点句

     熱き息吐きて出を待つ祭馬    瓔子

     晩節は妻の裏方梅つける     武夫

     白玉やけふ妻でなく母でなく   玲子

自由が丘句会 5月 先生特選・最高点句   (通算149回)

     清江顧問特選

       どくだみの匂うて雨の来る気配     瓔子

     瓔子先生特選

      モルダウの流れプラハの旅薄暑     重夫

       時計ふと腕に重たき薄暑かな      治江

     泉先生特選

       語らねば消えゆく過去や昭和の日   武夫

       時計ふと腕に重たき薄暑かな      治江

     節雄先生特選

       昼酒や荷風と粋に初鰹         治久

       新緑のひかりの中の風の音      清江

     最高得点句

       夏帽子渡舟の揺れを楽しめり     瓔子

東京句会 4月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      花何するでなく庭に出てをり春の暮     允章

   最高得点句

        ふるさとを厭ひ恋ふるや修司の忌      倫子

自由が丘句会 4月 先生特選・最高点句   (通算149回)

     清江顧問特選

       うらうらと日差しに風に酔うてをり     瓔子

       和三盆添へて故郷より花便り       武夫

     瓔子先生特選

      鳥帰る夕映え淡き湖の沖        清江

     最高得点句

       蘖や継ぐ子を持たぬ家を守り     清江

       川風をふはりと回し春日傘      治江

          

品川句会 3月 先生特選・最高得点

  清江顧問特選

    イヤリング外せばどつと花疲れ    瓔子

  瓔子先生特選

    桃の花赤子のあくびまんまるに    かつ子

    飛石は輪切りの丸太囀れり      京子

  泉先生特選

    桃の花赤子のあくびまんまるに    かつ子

    飽きるほど落花を浴びて独りなる   瓔子

  高得点句

    猫の尾のぴくりと揺れて地虫出ず   節雄

東京句会 3月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      花衣齢を見せぬ立居かな     武夫

   最高得点句

        初蝶よ恋文のごと吾に来よ     倫子

    

緑が丘句会 3月 先生特選・最高得点

   清江顧問特選

     囀を湧かせてゐたる雨後の木々   泉

     花見酒言葉の要らぬ顔ばかり   武夫

   瓔子先生特選

     ひっそりと落ちて華やぐ藪椿   瓔子

     ジーパンも二礼二拍子針供養   節雄

   泉先生特選

     朝の庭けふの落花のために掃く  辺留奈流

   節夫先生特選

     繭ごもるやうに朧の中にをり   瓔子

   最高得点句

     握ってはひらく嬰の手蝶の昼   泉 

自由が丘句会 3月 先生特選・最高点句   (通算148回)

     清江顧問特選

       講堂に校歌の余韻卒業す     武夫

     瓔子先生特選

      老齢化人生百年春らんまん       洋子

       身支度はケータイひとつ青き踏む   紀子

    泉先生特選

       小面のやはき口元春の宵      節雄

       鬨の声あげて芽吹ける大欅     瓔子

    節雄先生特選

       啓蟄やほのと色めく小路の灯    光眞

    最高得点句

       雛箱に残る昭和のにほひかな    節雄

       ふんわりと苔を褥に落椿       允章   

品川句会 2月 先生特選・最高得点

  清江顧問特選

    春立つや買ひしままなる旅の本    洋子

  瓔子先生特選

    ふらここの揺れ残りたる別れかな   京子

    古雛と差しで一献妻を待つ      節子

  泉先生特選

    浅春の水匂やかに稚魚の影      清江

  節雄先生特選

    木々芽吹く日当たりながら山の雨   清江

  高得点句

    ふらここの揺れ残りたる別れかな   京子

東京句会 2月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      色悪の一世一代冴返る         倫子

      あどけなき声先頭に鬼やらひ     武夫

   最高得点句

        春風や毬のごとくに下校の子     篤子

緑が丘句会 2月 先生特選・最高得点

   清江顧問特選

     春一番数多の絵馬の猛りけり   辺留奈流

   瓔子先生特選

     料峭や遠き岬に灯がひとつ    清江

     料峭や町内どこか掘り返し    泉

   泉先生特選

     立春と言ひし言葉の弾みをり   武夫

     数へ唄は祖母の口伝や春障子   治江

   節夫先生特選

     駄菓子屋からげんげ田行きの縄電車  瓔子

     走り根は大地もつかみ凍返る     玲子

   最高得点句

     山国の星の大粒余寒なほ     清江 

自由が丘句会 2月(テレ句会) 先生特選・最高点句   (通算147回)

     清江顧問特選

       着ぶくれと伊達の薄着の酌み交わし    節子

     瓔子先生特選

      春寒し眼鏡どこかと猫に問ふ      節子

       老松の肌雄々しく春寒し        泉

    泉先生特選

       煌めける水に遊んで残る鴨      允章

    最高得点句

       大鯉の一尺跳んで春告ぐる     瓔子    

東京句会 1月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      御祝儀のはみ出す口も獅子頭     倫子

      人惜しみ刻を惜しみて去年今年    玲子

   最高得点句

        天を突くオブジェとなりし枯木立     忠彦

      霜柱踏んで朝をかがやかす       玲子

緑が丘句会 1月 先生特選・最高得点

   清江顧問特選

     遠会釈交はし始まる落葉掃き   治江

     灯りなき戦火の国や冬深し    玲子

   瓔子先生特選

     粥に立つ湯気は若菜の息吹かと  ゆう子

     久々のネイル控へ目女正月     泉

   泉先生特選

     ひとすぢの初日眩しむ厨かな   玲子

     新しき風従へて初詣       亜由美

   最高得点句

     目出たさの正月凧の睨みやう    亜由美

     渓谷の弾む明るさ冬木の芽     清江

     冬深む一舟もなき昼の湖      清江

     遠会釈交はし始まる落葉掃き    治江

     白鷺の身じろぎもせぬ淑気かな   玲子

     ぼろ市を目利き顔して覗きをり   ゆう子

     盤に響く一人将棋や冬深し     ゆう子

     寒蜆鳴いて厨の闇濃くす      瓔子

     冬ふかし風の便りに聞く訃報    瓔子

自由が丘句会 1月 先生特選・最高点句   (通算146回)

     清江顧問特選

        はぐれ獣のごと雪原をゆく一輌車     治江

       準特選

        屋上へ富士を見に行く今朝の春     礼子

    瓔子先生特選

       野水仙やわらかき日を空に置き     光眞

        ゆつくりと天に向く機首初明り      治江

    泉先生特選

        奥殿に日の廻りくる小正月       治江

        皮剥きてくれし蜜柑の甘さかな     允章

     節雄先生特選

        秒影蹴つて帰る少女や寒夕焼     清江

     最高得点句

        野水仙やわらかき日を空に置き     光眞

      

句会報告 2022年度   ↓ ↓ ↓

東京句会 12月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      「拾得」のゐさうな寺の落葉径     明弘

   最高得点句

        句と共に生きて息災冬ぬくし     清江

自由が丘句会 12月 先生特選・最高点句   (通算145回)

     清江顧問特選

        日短や行きより遠き帰り道      節子

     泉先生特選

        逆さ富士湖にとろける小春かな    治江

        秒針の身内にひびく霜夜かな     治江

     節雄先生特選

        秒針の身内にひびく霜夜かな     治江

     最高得点句

        日溜まりに研屋来てをり十二月    泉

      

東京句会 11月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      ほろ酔ひの羅漢の膝の木の実かな     玲子

      ほのぼのと悪口語る日なたぼこ       久人

   最高得点句

        年行くや人みな己が灯を守り      清江

緑が丘句会 11月 先生特選・最高得点

   清江顧問特選

     紅葉かつ散る無住寺に名刹に   瓔子

   泉先生特選

     山茶花や日向さびしくなつかしく   清江

     古民家の燻しのにほひ冬隣      康子

   節雄先生特選

     野の果てに大き日矢ある片時雨    治江

   最高得点句

     兜煮に睨まれてゐる寒さかな     瓔子

自由が丘句会 11月 先生特選・最高点句   (通算144回)

     清江顧問特選

        全容を見せし富士山冬めけり    武夫

        刈込みの容ととのひ冬めける    治江

     泉先生特選

        目に染みる枯れゆくものの光かな    瓔子

        冬めくや尖り出したる星一つ       礼子

     節雄先生特選

        学僧の小走りにゆく時雨かな     泉

     最高得点句

        刈込みの容ととのひ冬めける     治江      

東京句会 10月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      秋日和口も軽やか義父白寿     重夫

   最高得点句

        秋扇ほんに生き下手世話嫌ひ    武夫

自由が丘句会 10月 先生特選・最高点句   (通算143回)

     清江顧問特選

        妻留守の自由不自由長き夜     武夫

     泉先生特選

        柿熟るる空ふかぶかとありにけり    允章 

        暮れの秋人中にゐて人恋し      瓔子

     節雄先生特選

        夕映えの川波躍る新走り       清江

     最高得点句

        月光の濃し縄文の太柱         礼子

        未だ嫁なり秋茄子を焼いてをり    伸子        

東京句会 9月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      水仕の灯落としてよりの虫の闇    玲子

   最高得点句

        うすぎぬの雲の疾さよ月今宵     倫子

緑が丘句会 9月 先生特選・最高得点

   清江顧問特選

     郷愁は風のなすわざ稲穂波    武夫

   泉先生特選

     ひとすぢの川の夕映え芒原     清江

     いくたびも良夜の庭に出でにけり  玲子

   節雄先生特選

     鈴虫の一声に闇動きけり     辺留奈流

   倫子先生特選

     鈴虫の一声に闇動きけり     辺留奈流 

     新豆腐水もろともに切りにけり  節雄

     新涼や深剃りをへてなでる顎   治久

   最高得点句

     鈴虫の一声に闇動きけり     辺留奈流

自由が丘句会 9月 先生特選・最高点句   (通算142回)

     清江顧問特選

        空と海しかと分かちて秋澄めり    允章

     泉先生特選

        澄む秋や惜別といふうす煙り     光眞

        落日や海に尽きたる大花野      治江

     節雄先生特選

        遠山に雲ととのへて蕎麦の花     武夫

        落日や海に尽きたる大花野      治江

     最高得点句

        落日や海に尽きたる大花野      治江        

東京句会 8月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      逢えぬまま永久の別れは星流る     武夫

   最高得点句

        逝く夏の汐ざゐまとふ磯馴松      清江

自由が丘句会 8月 先生特選・最高点句   (通算141回)

     清江顧問特選

        眠られぬ旅のやどりや天の川    泉

        冷酒や話せば楽になることも    武夫   

     泉先生特選

        富士の水仏に供ふ残暑かな    克恵

        小流れに水のかげある秋隣    節雄

     最高得点句

        順礼の鈴が分けゆく芒原      瓔子     

東京句会 7月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      うたた寝の父の手にある古団扇     篤子

      水打つて御簾に追い風待つばかり   武夫

   最高得点句

        夏潮の青きうねりよ若き日よ      允章

自由が丘句会 7月 先生特選・最高点句   (通算140回)

     清江顧問特選

        出棺を待つ片蔭に身を寄せて    瓔子

      準特選

        鶴頸ひとつ置きたる床の涼しさよ   泉   

     泉先生特選

        じりじりと日差し濃くなる竹煮草    瓔子

        炎天に縮みてをりぬ己が影      暁子

     節雄先生特選

        水音の日暮へ急ぐ青簾       清江

     最高得点句

        じりじりと日差し濃くなる竹煮草    瓔子        

品川句会 6月 先生特選・最高得点

  奥名主宰特選

    梅雨ごもる羽化する時を待つやうに   瓔子

    抜け道の四葩小路となりにけり     節雄

    あちこちの痛くて元気衣更ふ      伸子

  清江顧問特選

    雨来るとばかり匂はす栗の花     康子

  泉先生特選

    朝涼のずつと先まで青信号      暁子

    黒光る階段箪笥夕河鹿        亜由美

  節雄先生特選

    一病息災したたかに水を打つ     春江

    水無月の満月掬ふたなごころ     暁子

  倫子先生特選

    水に倦みおのれにも倦み水中花    春江

  高得点句

    一燭の涼しさにゐる忌日かな    清江

    うすものに一重瞼といふはよき   春江

緑が丘句会 6月 先生特選・最高得点

   清江顧問特選

     水貝やギヤマンに透く夕灯    倫子

     花の宴締めの寮歌は歌へずに   武夫

   泉先生特選

     草刈機唸りの中に日照雨来る   康子

     つばくろや辻に出店の青物屋   節雄

   節雄先生特選

     生き生きと雲満満と植田水    玲子

   最高得点句

     おおかたは錆びしくちなしよく匂ふ   泉

     桃桜忌人恋しくて人嫌ひ      辺留奈流

東京句会 6月 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      梅雨晴れや練り歯磨きのミントの香    篤子

   最高得点句

        履きしまま洗ふ長靴へぼ胡瓜      明弘

自由が丘句会 6月 先生特選・最高点句   (通算139回)

     清江顧問特選

        水無月の田の面きらめく峡の村    礼子

     泉先生特選

        十薬の十字清めて雨上がる       清江

        梅雨めくや木暗れに鳩の籠り鳴き   清江

     最高得点句

       峠越ゆ青水無月の草踏んで    瓔子

       山峡に守る棚田や桐の花      治江         

東京句会 5月(テレ句会) 先生特選・最高点句

   清江顧問特選

      とほざかる歌声もまた陽炎へる    玲子

   最高得点句

        白といふ夢のはじまり牡丹咲く    武夫

自由が丘句会 5月 先生特選・最高点句   (通算138回)

     清江顧問特選

        父と子のよき歌ごゑや菖蒲風呂    光眞

        退院のしみじみ浸かる菖蒲の湯    重夫

     泉先生特選

        御朱印の墨痕光る立夏かな      節雄

        軒菖蒲挿されてゐたる空牧舎     節雄

     節雄先生特選

       朝光の水つたひくる白菖蒲      清江

       生きて生きて漢老いたり菖蒲の湯   克恵

     最高得点句

       菖蒲酒一会といふも永遠の縁     清江

       賑やかに日のあるうちの菖蒲風呂   泉